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消された伝統、作られた文化~「革命的な現代京劇」

 

手紙の右上に必ず貼られている切手が、種類によっては高い値打ちがつくことをご存知でしたでしょうか。
こちらのサイトでは、価値の高い世界各国の切手を随時紹介しています。

 

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こちらで紹介する切手は、中国で作られた、「革命的な現代京劇」シリーズです。
それぞれの切手が、キリッとポーズをとった人々で構成されています。
では。なぜこのシリーズは価値が高いのでしょうか。時代背景とともに考えていきたいと思います。
まず、編号は「文5」です。
編号とは、中国の切手に記された記号のようなものです。
編号によって、切手がいつ頃に発行されたかがわかります。
「文」と記載されている切手は1967年4月から1970年6月という短期間に発行され、かつ希少価値は極めて高いものとされています。
その理由は、当時の中国を席巻していた、「文化大革命」にあります。

 

●消された伝統!「文化大革命」とは?

「文化大革命」とは、失脚していた中華人民共和国の建国者、毛沢東が自らの復権のために敵対勢力を排除したため、掲げられたものです。
内容は、簡単に言えば「伝統的文化と資本主義の排除」です。
毛沢東自身が文化の発信源であり、中国の文化そのものである、という自分勝手極まりない政策です。

 

文化大革命にそぐわない行動をとった者が悲惨な目にあったのは言うまでもありません。
また、当時は切手の収集は原則禁止とされていること、一般市民が海外との文通ができなかったことも希少価値を高めている原因となります。

●京劇も餌食に・・・「四人組」江青の執念とは?

そんな「文化大革命」下の施策には、京劇の弾圧、というものもありました。
京劇というのは、18世紀末、清王朝の時代に北京で隆盛を誇った演劇です。
題目は、三国志演義や西遊記、水滸伝といった中國の伝統的な古典を扱ったものが有名です。
日本でいうところの歌舞伎に近いものを想像していただければよいでしょう。

 

「文化大革命」下の中国政府はそんな京劇に対して古典劇の上演を禁止したり、俳優の排除を命じたりと、封じ込め政策に踏み切ったのです。
この政策を積極的に推し進めたのは、江青という女性であると言われています。
毛沢東の第四夫人にして、文化大革命を主導した「四人組」の筆頭である彼女は現代劇出身の女優という経歴を持ち、京劇をはじめとする伝統芸能には嫌悪感を示していたと言われています。

 

 

●生き残った「現代京劇」

しかし、江青は京劇を全面的に排除することはありませんでした。
すなわち、「現代京劇」という形で、国家発揚のために利用しようと考えたのです。

 

例えば、『紅灯記』という作品があります。
これは、日本占領地で革命闘争に身を置く中国共産党員と日本の憲兵との戦いを描いたものです。
あからさまな共産党称賛の意図が込められています。

 

京劇は古典劇を封じ込めた代わりに、革命現代劇をすることで、文化大革命に貢献する役割を果たしたのでした。
なお、現在では古典劇も解禁されていますが、一部の革命現代劇は今なお人気を博しています。

 

こうした時代背景下で発行されたのが「革命的な現代京劇」です、まさに文化大革命によって破壊され、創造された文化そのものです。

 

当時、切手を使うのは政府の関係者しかいなかったことから、現代京劇が対外的にも文化大革命をアピールする手段であることが分かります。
当然、悲惨な状況を隠ぺいする為でもありますが。

 

革命的な現代京劇シリーズ切手

発行年度 1968年
編号 文5
買取における価値 7万~9万

 

 

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いかがでしたでしょうか。
一枚の切手から繰り広げられる壮大な歴史ドラマは、切手の価値をその役割以上に高めます。
この記事を読まれた方は、ぜひご自宅に中国の切手、それも「文」の編号が書かれた切手を探してみてください。
もし見つけることができたならば、査定に出してみてください。
そして、オークションにかけてみてください。
絶対に需要は高いはずです。

 

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